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大湯系源泉

大湯系の源泉は旅館に供給されている大湯(再)源泉と公衆浴場で使用される大湯1号源泉 、そして3号源泉の3種類あり、同じ大湯系でも大きく違う。大湯(再)源泉は硫化水素型の硫黄泉だが、大湯1号源泉は同じ酸性だが、食塩-芒硝系の湯で、遊離硫化水素は殆ど含有していない。

大湯(再)源泉は硫黄のコロイドが細かく、沈殿しやすいのでしばらく人が浴槽に入っていないと無色透明になる。撹拌すると乳白濁りの湯に変化する。タマゴ臭をしっかり感じ、酸性泉特有のレモン味の酸っぱさを感じるが、同じ酸性硫黄泉の草津と違い、アルミニウムの含有量が少ないので金属系の不快な収斂感は少ない。水素イオン濃度も弱酸に近いので肌への刺激もマイルドで引っ掛かりの無いツルスベ浴感が気持ちいい。

大湯1号源泉は遊離硫化水素の含有量が少ないので硫黄コロイドの析出がほとんどなく、泉色がうっすら白濁する程度。タマゴ臭も薄いながら感じ、タマゴ味も薄いながら感じるが、レモン風味と薄い甘塩風味の方が先に立つ。浴感はツルスベ感は弱く、キュッと引っ掛かりを感じる。水素イオン濃度も低いので熱さのピリピリとは違う刺激を感じる湯になっている。


大湯源泉湧出地の様子

新湯系源泉

新湯系の源泉は新湯1号泉、新湯2号泉、新湯3号泉、新湯4号泉の4源泉を混合して各旅館へ配湯している。そして、共同浴場へは新湯源泉と呼ばれる混合泉とは浴感が全く違う源泉が配湯されている。

泉質名は浜湯系源泉や大湯源泉に似た含硫黄-ナトリウム−塩化物温泉だが、浜湯系や大湯系の硫化水素型硫黄泉と違い、硫黄型硫黄泉なのが最大の特徴になっている。そのため、硫黄泉特有の白色コロイドが微細で、口に含むと出汁味に硫化水素型硫黄泉とは違ったタマゴ味を感じる。源泉の濁りは湧出地から遠くなると濃くなってゆく感じがするのが面白い。引っ掛かりの少ないスベスベとした浴感が気持ちよく、温まりもしっかりと持続するが、どうしても特徴の強い浜湯系や大湯系の湯に隠れてしまいがちなのが残念なところでもある。


新湯源泉湧出地の様子

浜湯系源泉

浜湯系の源泉は海辺地(かいへんちと読む)1号泉と2号泉が使用され、1号泉 (別名:白湯)を下風呂観光ホテル三浦屋とホテルニュー下風呂が使用し、2号泉(別名:黒湯)はつるやさつき荘とメモリアルアーチの足湯で使用されている。

嗅覚は硫化水素型硫黄泉らしく、焦げタマゴ臭と機械アブラ臭とアンモニア臭が混ざったような複雑な匂いを発し、味覚は塩味効いたダシ味にタマゴ味、エグミの効いた苦みが混ざります。ツルスベ浴感が心地よく、この1湯だけでもいいと思えるくらい満足度の高い湯。

2号泉は、微細な湯花が黒く硫化され、薄灰色から墨汁色になるときもあるが、硫黄の析出も多く湯船底に沈殿しているので、攪拌すると白濁の湯に変化するところもおもしろい。

成分的にみると、新湯系より遊離二酸化炭素の含有量が多いので、毛細血管を拡張し、血流が良くなるので温まりがいいように感じる。また、硫黄成分が、糖尿病、高血圧、動脈硬化などに効能があるといわれ、生活習慣病の改善が期待できる。


海辺地1号泉の源泉湧出地周辺の様子(2019年2月)


海辺地2号源泉の湧出地周辺の様子(2019年2月)


海辺地2号源泉の湧出地の無防備だった頃の様子(2005年の様子)


ニュー下風呂裏にある謎のポンプ小屋の様子(2019年2月)

by ゴロー(文責)
by T-K(画像)